柔術コマンド

ブラジリアン柔術&格闘技諸々

NO-GIをやろう

NO-GI(ノーギ)ってやったことある?

 

道着を着ずにやる柔術グラップリング

 

グラップリングは禁止技や制限が少なく、NO-GIは柔術ルールが一部適用されて帯によってはヒールフックなど足関節が禁止されている。

 

ADCCアブダビコンバット)というグラップリングの大会があって、優勝者は「寝技最強」の称号を与えられる。

 

個人的な意見としては、GI(道着を着た一般的な柔術)とNO-GI(裸でやる柔術)はどちらも練習したほうがいい。

 

違いを説明すると、GIは相手をコントロールできるorされるためキチンと手順を踏んだ練習が可能だ。逆にNO-GIは相手を制御するのが比較的難しくなるので、相手に合わせてついていくような、より動きを重視した練習に向いている。

 

語弊を生むかもしれないけど、GIはコントロールがお互いに効くため、何手も先を読むような、より戦略的な動きが必要になる。逆にNO-GIは掴める場所が少ないので、相手の動きを読み取る感覚だったり、よりフィジカルを必要とする。

 

両方とも練習すると相乗効果が生まれるし、柔術の根幹に立ち返ってストリート目線でいえば、服を着こんだ冬と軽装の夏どちらも変わらず対応できるほうがいいに決まっている。

 

所属するジムにNO-GIがあったら是非チャレンジしてみて欲しい。

 

日本にNO-GIやグラップリングアメリカなどと違って普及しないのは、日本人が習慣的にあまり接触(ハグ、手を握る)をしないからという理由があるかもしれない。

 

だからこそ一度やってみたほうがいい。

 

柔術よりも肉体のぶつかり合いを感じられると思う。

 

楽しいよ。

 

 

上達のコツ

上達するために大切なことは以前の記事で色々と紹介しているけど、いちばん手っ取り早い方法は...

 

質問すること=パクること

 

「こんな質問低レベルすぎて聞きずらい」

「あとで調べれば分かるか」

「みんな忙しいそう」

 

どれも関係ないしもったいない。

クラスで学んだ内容の復習でもいい。頼られて嫌な人はいない。

どんどん聞いて技を盗んで自分のものにしてしまえばいい。

 

昨日僕にもクラス後に質問してきた人がいた。

 

最近誰よりも練習熱心なその人は誰にも遠慮なく(恐れず)スパーを申し込むし、自分で動画を見て勉強もしている。

 

そこで思ったのが、ある程度の練習量がないと疑問自体が浮かばないということ。

 

僕も何らかの理由で週に1,2度しか練習できなかったり、他のことで頭がいっぱいだとあるはずの改善点や疑問点に気がつかない。質問なんてないよ、と思った人は柔術と向き合う時間や量が足りないのかもしれない。

 

話が反れたけど、遠慮することは美徳でもなんでもない。

 

僕も元々遠慮がちでビビりな性格だから、気持ちは理解できるし未だに後悔することもあるけど、とにかく疑問が湧いたら余計なことは考えず思考停止で誰か近くの人に聞いた方がいい。

 

そのうち質問のレベルも上がるだろうし、なにより自分の中で沸いた疑問は自分だけのものだから一つとして無駄なものはない。

 

自分で考えて試行錯誤する、というのも質問してパクりながらのほうが効率がいい。

 

みんなクラス後でも前でも遠慮せず質問してみて。

 

 

 

柔術フィンガーなるものがある。

 

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何年も道着を握っていると、指の第一関節がゴツく変形するのだ。

餃子耳と同じように、柔術によって起こる身体の変化の一つだけど、こちらはファイトスタイルによってまちまち。

 

下のポジションからきっちり作っていくスタイルの人なんかは変形しやすくて、スパイダーガードやラッソーガードを頻繁に使う人に多く見られる。

 

「え、じゃあスパイダー使うのやめよう」

 

なんて心配する必要はない。ボディビルディングと同じで、なりたくてなれるものでもない。本気で柔術に何年も取り組んでいる人でも、指が綺麗な人は全然いる。

 

白帯の初心者や多くの人にとって問題なのは「指の変形」ではなくて「指の痛み」。

 

おそらく既に指を痛めている人は多いと思う。道着を着ている以上、どうしても握る動作が必要になるから完全に避けることは難しい。けれど、ある程度予防できる。

 

大切なのは固執しないこと。

 

相手が思いっきり切りに来た際に意地になって握っていると怪我をする。

素直に他の展開に切り替えるか、そもそも切らせないように相手の体勢を崩すか。

 

僕の通うジムの道場長のように、もともと指が丈夫な人はいて、そういうタイプの人はあまり気を使わなくても問題ないのかもしれない。

 

けれど、僕の見る限りかなり多くの人が指を痛めているし、骨折した友達もいる。

 

スパイダーで握る際だけでなく、ハーフガードやインバーテッドで相手の「膝」付近を握る時は気を付けた方がいい。位置が悪いと簡単に潰れる。

 

指などの筋肉が薄い部位は治りが遅い。練習をやめても、一か月やそこらでは完治しないことが多い。なので、なるべく傷めないほうがいい。

 

てことでみんな、指は大事にね!

 

 

試合に出よう

試合に出る人、出ない人。

 

結構きっぱりと分かれると思う。

柔術は試合に出なくても全然楽しめるから、まったく出場しないのも個人の自由だ。

 

けれど、試合経験がある人とない人とでは、普段の練習密度に圧倒的な差が出る。

 

初心者の人でありがちなのが、スパーリングの時に勝敗を意識しすぎてガチガチになること。まだ慣れていない状態だから仕方がないことではあるけど、一回でも試合に出場するとガラッと変わる。

 

試合は、スパーリングとは比べ物にならないほどの緊張感がある。

 

僕も初めて出場した時は、ふわふわと浮いているような、試合中に足の感覚がなかった。

 

この緊張状態を味わうと、普段のスパーリングに余裕が出る。要はストレスの許容量が増える。もっといえば、練習の主軸が試合になるから、スパーリングの勝敗に捕らわれずに苦手な技や試合で勝つために必要な練習ができるようになる。

 

いいことだらけ。

 

強いて言うなら、怪我のリスクがあることくらい。

 

試合中もそうだけど、試合に向けた練習中のほうが多いかも。僕の怪我もすべて練習中に起きている。追い込みすぎは注意かな。

 

まあでも、圧倒的にメリットが上回るから、練習期間とか関係なしに出れる試合があれば一度出てみた方がいい。

 

今日は短めにこのへんで。

 

 

「限定スパー」やってる?

 

先週から練習を再開した僕ですが、まだまだフルスパーリングは怖くてできない状態。

 

でも実戦形式の練習はしたい...

 

誰しもそういった経験があると思う。

今回は僕が怪我をした中で気づいた「限定スパーリング」の重要性を伝えるよ。

 

限定スパーリング・・・特定の体勢(サイド・バック・ハーフガード等)から始める実戦形式の練習。

 

取り入れているジムも少なくないので、もうやったことあるよーという初心者も多いかもしれない。ただ、おそらく多くの人が限定スパーの意義まではあまり理解していない。

 

僕でさえ最近まで意識してこなかった。

 

以前紹介した、「スパーリングの中で意図的に不利な状況を作る」ことに近いが、僕が今回意味する「限定スパー」はもっと厳格なもの。

 

現在僕は下のポジションになることができない。プレッシャーを受けきれるほど肋骨の強度が戻っているか怪しいからだ。そこでここ2週間はパスガード形式の限定スパーを取り入れている。

 

僕が上からパスを狙い、相手は下からスイープorサブミッションを狙う。

 

最初は何本やっても物足りなかった。

 

だがしかし...

 

たった1週間で目に見えて効果が出てきた。パスガードの導線が以前よりくっきりと見える。要はパスガード同士の連携が強化され、次はこれ、それがダメだったらこっち、からの逆方向など、同じ動き、シチュエーションを繰り返すことで精度が格段に上がったのだ。

 

今回の経験を踏まえて、怪我が治った後も限定スパーを練習に取り入れようとは思っている。

 

けれど、人は動くより止まることが難しい生き物。フルで動けるなら動きたくなってしまう...

 

やはりどんな領域でも、上達に必要なのは「好きなこと」に没頭するだけでなく、「必要なこと」を如何にきっちり遂行するかなのかもしれない。

 

僕のいちばん苦手なこと。おそらく大多数の人も。

 

柔術に話を戻すと...

 

限定スパーには様々な種類がある。

・ポジション系(ハーフガード、スパイダーガード、トップ&ボトム)etc.

・禁止系(サブミッション禁止、スイープ禁止、足関節禁止)etc.

・左右反転(利き手と反対の動きで攻める)etc.

 

こう見ると、逆に面白いかもって思わない?

 

是非試してみてね。

 

 

ジム選びのポイント

 

ジムに入会を決めた時のことって、覚えてる?

 

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何かしらのきっかけで柔術に興味を持って、家から近いジムに見学or体験させてもらって即入会。という人も多いとは思うんだけど、スマホや家の内見と同じく、ジムも何件か候補を回ってから入会を決めた方がいい。

 

そのほうが入会後のミスマッチも少ないし、やはり比較しないと気付かない点は多いと思う。僕自身3回ジムを変えている(留学や引っ越し等の理由)から他の人よりも解る部分もある。

 

てことで、今日は柔術ジムへの入会を検討してる人向けに、ジム選びのポイントをランキング形式でまとめてみたよ。

 

第6位.「値段」

ジムの相場は月会費1万~1.6万程度。キックボクシング等のジムと比べると少し高め。ねわざワールド品川など、レンタルルームを借りてクラスを開いているジムは3000円台で通えたりする。入会金無料や道着プレゼントなどキャンペーンを開催しているジムも少なくないので、しっかりと情報収集すべき。

 

 

第5位.「清潔度」

ジムによっては汚い。特に老舗の名門ほど汚かったりするから注意が必要。大手ジムだからといって見学体験を怠ると入会後のギャップに悩まされる。そんなの気にしないよって人にはあまり意味のない、人によって重要度が大きく上下する指標かも。

 

 

第4位.「スケジュール」

ほとんどのジムが夕方~夜にクラスを開いていて、「白帯・色帯」「男性・女性」「道着あり・なし(ノーギ)」など様々なクラス分けがあるので、自分が通える時間帯に希望or出席可能なクラスがあるかどうかちゃんと確認する必要がある。他にも、大手ジムのグレイシーバッハでは白帯の中でも「初級者・中級者」で分けていたりする。

 

 

第3位.「客層(ジムの方向性)」

ここからもっと大事。柔術ジム、といってもコンセプトは多種多様だ。有名なのはアクシスアカデミーという名門ジムで、出稽古禁止、クラスも厳しく真面目な雰囲気だという。対して僕が所属しているジムは緩くてクラスに遅刻しても怒られない。前者は上達重視、後者は楽しさ重視、超簡単にいえばそうカテゴライズできる。しかし、厳しい=強豪といったような相関関係はそこまで強くない。

 

ただでさえ職場や学校で疲れているのに、ジムに通ってまで気を張らなければならないとなると精神的に消耗する。それでは続かないので、自分の性格に合った雰囲気・コンセプトのジムを選ぼう。

 

 

第2位.「指導者との相性」

ジムの方向性は指導者によって大きく左右される。練習メンバーと多少気が合わなくても、指導者と波長が合えばあまり気にならない。要はジムのボスと仲が良ければ他の些細な問題はあってないようなものだ。とにかく何件もジムを巡って、いろんなタイプの指導者に会って欲しい。何件目かで「あ、ここだ」と何となく直観で惹かれるジムがあるはず。

 

 

第1位.「立地」

結局立地かよ! と思う人もいるだろうけど、遠かったり通うのに手間がかかるとマジで続かない。自宅ージムー職場の位置関係にするとか、職場近くか、家からチャリで10分圏内とかにした方がいい。

 

名門だから、大手だからという理由で強引に離れた場所にあるジムに通うことだけは避けた方がいい。ぶっちゃけ、ジムの大小はガンガン試合に出る選手以外は全く影響がない。むしろ小さいとこで始めたほうが仲間もできやすいし柔術に早い段階で馴染めると思う。

 

以上、ジム選びの際に参考にしてもらえたらって思う。

 

僕自身、3回目のジム選び(1回目は海外、2回目は実家付近)では計6件回った。

これから入会orジムを変えようと思っている人は、是非気にせずに何件も回ってみて欲しい。顔も売れるし、ジムを変えた時や試合の時に「あの時の!」ってないし全然悪い雰囲気にはならないから大丈夫。

 

 

脱力

今日は脱力について解説するよ。

 

みんな「脱力」してる? 脱力してる場合じゃないわ! って気に障る人もいるだろうけど、超重要だから是非読んでいってね。

 

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脱力の意義とは...

 

その1

★感受性を磨く

 

生け花を愛でたり、俳句を詠んだりする姿」を想像したなら少しニュアンスが違う。

握りつぶす勢いでアルミ缶を持っても表面の材質は解らないし、ゴキブリを反射的に踏みつぶしてしまうからその本当の感触や動きを理解できない。

 

もちろん潰すことでその物体の強度は知ることができるけど、そんなものはほんの一部分でしかない。

 

何が言いたいかというと、ゴキブリがまだ小さいから圧倒的なパワー差で対処できるわけだけど、これが数倍(物理的な問題は無視)になったら捕まえることも潰すことも困難になる。

 

しかし、よく観察して、どのタイミングで走り出すか、どんな動作や状況の時に羽を出して飛ぶのかを理解していると、例えば巨大化した昆虫を相手にすることもできるかもしれない。

 

話が脱線したけど、相手の動きは実践の中で観察しなければ意味がない。そこで重要なのが「脱力」で、身体が脱力していれば精神も冷静になり、相手がよく見える。

 

僕が高校生まで通っていた合気道の師匠は「自分が無になる、透明になるんだよ」と言っていたけど、今になってようやく少し理解できたと思う。力みをなくすことで、内(自分)に向いていた意識が外(相手)に向くようになる。

 

理想は相手の何手も先の動きを感じ取って制圧すること。けれど、すぐに身につくものではないから日々練習するしかない。

 

あと勘違いがないようにここで確認するけど、「脱力」ってダラーっと腑抜けた状態ではない。筋肉は張っているけど、無駄な箇所が力んだり、必要以上のパワーを注いでいない+意識がコモっていない状態が格闘技でいう「脱力」だと思う。

 

もっと身近な例でいうと、

準備不足で不安な状態でプレゼンに臨む場合は「失敗したらどうしよう」「恥ずかしくて逃げ出したい」など意識がどんどん内向きになり、相手の顔が見えず、自分の原稿を読み切ることにしか集中できない。

 

結果、表情も硬く、臨機応変な対応もできず、一人芝居みたいになって終わる。

 

「脱力」して臨むことができればどうだろうか?

自分の話す内容や評価ではなく、相手の表情や場の雰囲気、時間配分までサッと理解できる。結果、途中で気を利かせた小話を挟んだり、一部の内容を変える・ニーズがありそうな箇所だけ長めに話すなど、より効果的なプレゼンができる。

 

このように、「脱力」は何も格闘技だけの話ではない。

 

プレゼンの例からも解るように、そう簡単にできるものじゃない。練習を重ねることでしか習得できない。

 

話を柔術に戻すと、「脱力」を意識して、なるべく小さな力で相手と接触することでしか養えない能力があるということ。

 

 

その2

★緩急がつく

 

試合中にずっと力み続けていたら疲れるし、なによりペースが一緒だと相手に動作を読まれやすい。「脱力」ができていれば、必要な場面で一気にパワーを使うこともできるし、無駄な消耗もない。

 

これについては分かり易いと思うから短めにするけど、どの格闘技でも「スピード」「パワー」それぞれで緩急をつけることは超大事。打撃でも、一定のパワー、スピード、リズムで殴ってきたら素人でもカウンターを狙える。

 

柔術でも同じで、リズムを変えずにパスガードをしていたら簡単にスイープを食らう。

 

以上、「脱力」について長々と書いてみたけど。

 

脱力を会得するには前提条件があって...

 

☆思いっきり力んで、パワーのぶつかり合いを経験すること

 

要は「力むチカラがないと脱力もない」って話。

筋トレ、ガチスパーと平行して「脱力」も意識するのが最適かな。